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1.召喚

未だに疑問に思うことがある。
それは、召喚されたあの瞬間。
彼女ほどの魔術師が何故失敗し、本来の彼女ならばありえない召喚をしたのか。
家具の上に召喚されたのはきっと私が初めてに違いない。
というかむしろ他に類を見ないのではないか?
召喚された瞬間は何が起きたのか把握できなかったが、今こうして一人で考えてみるとおかしな事ばかりだと気づく。
きっと重大なドジを踏んだに違いないが、
本人は絶対にそれを教えてはくれないだろう。
思い切って聞いてみるか?
いや、むきになって教えてはくれないだろう。
時期を見て本人が口を滑らすのを待つのがいいかもしれない。
彼女はきっとその後、表情に出して不機嫌になるかもしれないが、それもまた楽しいだろう。
まだ同い年の無知な自分だった頃には彼女の怒る姿が怖いと思ったものだが、今は可愛く映る。
怒りを内に秘めて微笑まれた日には震え上がって何でも言うことを聞いていたものだ。
今現在も令呪の力で掃除をさせられているとはいえ、あの時のような心理的圧力は感じない。
召喚されてすぐに彼女であると分かっていれば避けられたことではあるが、こればっかりは仕方が無い。
時を待ちわびて、彼女の存在が磨耗していたと言ったら彼女は怒るだろうか。
それとも…悲しむだろうか。
変わり果てた私の姿を見て、怒るだろうか。
どちらにしろ、私にはすでに過ぎてしまったことだ。
後は目的を果たすだけ。
その目的が果たされるのならば、掃除をさせられていることも良しとしよう。
箒とちりとりをわたされて掃除をさせられるサーヴァントが私が初めてだろうが、
彼女と共にある内はどんな事でもさせられる覚悟を持たなければならないだろう。
まずは彼女が驚くくらいに部屋をきれいにして、驚かせようか。
やっと巡って来た、最初で最後かもしれない奇跡。
召喚の瞬間はとんでもないものだったが、彼女に召喚されたことは素直に感謝せねばらないだろう。




言い訳をひとつ…(汗)
召喚後に掃除しながら色々考える弓さんを想像したんですが、ものすごく別人になりました。
すいません、私には皮肉でいい人な弓さんは書けないみたいです…(汗)。
かなり前途多難な幕開けです…