15.再契約
契約しているから、再び契約するなんて考えたこと無かった。
サーヴァントだから契約でここに存在する、なんてことは分かっていたけれど、
その時が来るまではそんなこと、考えなかった。
もしかしたら考えたくなかっただけなのかもしれないなんて思ったのは、ずっと後。
今は一人でロンドンにいる。
一人って言ったら士郎には悪いけど、実際にここで暮らしているのは私一人。
あの慇懃無礼な態度を取るサーヴァントのように、すぐに側には来てくれない。
一週間も一緒にいなかったのに、家族よりも誰よりも側にいることがしっくりしていたアイツ。
最後のあの時に再契約してと言ったら首を静かに横に振った、アイツ。
再度召喚しても帰るとか言いそうだけど…
でももし、赦されるのなら。
もう一度呼ぶことが出来たのなら。
私のサーヴァントになって欲しいと思うのはいけない事だろうか?
渋々でも契約してくれそうな様子が目に浮かぶけど、どうなんだろう?
そこまで考えて、ふと思い出すこと。
聖杯に願うような願いは無いと言ったけれど、今はある。
正しく言うのなら聖杯ではなくて、彼に叶えて欲しい願いだけど。
あの時、そう言ったのなら彼は再契約してくれただろうか?
聞いてみたいことも聞いて欲しいことも沢山ある。
正義の味方は得意じゃないとか言って、結局最後は正義の味方みたいに消えた自分のことをどう思ってるんだろうか?
もしもこの先召喚することが出来るだけの魔力をもてたとして…召喚したら今度は。
今度は戦争とか関係なく、私だけの彼でいてくれるといいな…なんて思う。
もう少しがんばって、魔力を強大なものにして…その時は。
有無を言わせず再契約しなさいよって言ってやるんだ。
それが、目標。



えっと、難しくて浮かばないんですよ。
そうしたら凛様モノローグに…。
最後はいっそのこと清清しいくらいに捏造して、二人のハッピーエンド書いてやる!と
意気込んでいますので、気長にお待ちいただければと思います。
現在二月十二日ですが、オリジナルの方でちょっとした企画を考えていますのでそちらと最終・16のどっちが先になるかは分かりません。
ただ、長いことだけは先に言っておきます。