「どんな風に変わったって言うの?まさか、猫被るどころか下は悪魔だったとか、思ってるってこと?!」
「いや…恐怖の対象になったことは確かだろうが」
「なっ!?」
騎士の言葉に素直に怒りを表す少女。
「待て、凛。最後まで聞け。恐怖の対象になったのは確かだろう。
だが、小僧の中で君の存在が特別な存在ではなくなったこともまた確かなことだろう」
今にも怒鳴りだしそうな少女を抑えて、騎士は言いかけていた言葉を最後まで言った。
「それは…普通の友達くらいのイメージになったって事?」
「いや、身近に感じる存在になったと言うことだな」
騎士は少女の表情が戸惑いを作り、少し赤くなり出したことに気づいていた。
だが、あえて突っ込みはしない。まだ。
「えと、それって…」
「非常に不本意なことを言うが、小僧が君に女の子だという意識を持ち始めたと言うことだ」
騎士は心の底から言いにくいことを口にした。
もし自分の正体がばれたとき、その発言は自らの気持ちを露呈するものでもある。
出来れば言いたくはなかったが、照れてうろたえる少女が可愛かったのでつい、口にしてしまった。
赤くなる少女の頬。
普段から自分は女の子らしく思われていないと思っている少女は、騎士の言葉にあからさまに動揺していた。
その表情を作ったのが今の自分ではないことが悔しいのだが。
表情には出さずにそう思っている無表情な騎士の顔を見つめて、少女は思い切った様子で口を開いた。
「ねえアーチャー、それって、あなたもそう思ってくれているってこと?今の言い方だと、士郎がそう思うことが嫌だって事よね?」
少女の言葉に一瞬表情を崩しかけたが、いつも通りの表情を形作ると少女を見つめ返した。
「もちろんだ。君は私のマスターだからな。君は魅力的だからよからぬことを考える者がいるというのはあまり嬉しくはない」
特別な感情だと言うことをカモフラージュするために、過去の自分ひとりが特別ではないと付け足す。
「君のような主人を持てて私は光栄だ」
少しだけ本心で。でも、表情に見せる事はしない。
さらに頬を赤くした少女は、そっぽを向くとそんなことはいいから紅茶のおかわり頂戴と告げた。
「では、ご希望通りの紅茶を入れてくるとしよう」
思ったとおりの少女の反応に満足して、騎士はまたキッチンへと戻って行った。
その表情はとても晴れやかなものだった。




ええとですね…苦情は受け付けない方向でお願いします。
途中から自分が何を書きたいのか分からなくなりました。
本当にごめんなさい…(汗)