「いくら君が強くても、ガンドを打てても…今のように抑えられては抵抗できないだろう?」
アーチャーの言うことは正論だろう。
「確かに、アーチャーがいてくれたからさっきは助かったわ」
有無を言わさずに押し倒されて、腕を取られたら私には抗う術がないだろう。
足で蹴るのも高が知れている。
けど…さっきアーチャーに押し倒されたのは
危機感がないという点では合っているけど、ちょっと違う。
「分かってくれればいい。下手なサーヴァントと組んでいたらあっという間に襲われているところだろうな」
私の言葉に、頷くアーチャー。
「でもね?あなただからいいようにされちゃったんだと思うのよね」
それは、率直な感想。
「それは…」
目を丸くしながら、アーチャーは私の言いたいことを察した。
「光栄だな。だが、そんなことを言われたらからかうだけでは済まなくなるな」
「冗談。そんなことしたら今度はガンド撃つわよ」
ベンチから立ち上がって、アーチャーを見上げる。
信頼してるなんて言っただけで襲われるなんて真っ平ごめんだ。
だけど、アーチャーにキスされて嫌じゃなかったのは黙っておこう。
「でも、さっきみたいに助けてくれるのは歓迎よ。光栄でしょ?私の彼氏に見てもらえるなんて」
私の言葉に一瞬表情をほころばせて、それからいつもの表情に戻す。
「ああ、とても光栄だ。君の護衛に徹するとしよう」
姿を消しながら、それでもアーチャーの浮かべている表情が分かった。
明日からはもう少しアーチャーが安心できるような服装してあげようかなとか思ったりしたけど、
やっぱりいつも通りで行こう。
アーチャーがついていてくれるのなら、大丈夫だから。



ええと、色々先を想像した皆様、ごめんなさい。
うちにはそんな甲斐性は無いんですよ…(苦笑)
憧れが強くて、今一歩踏み出せない感じの二人なので…。
いきなりアーチャーが怒りを静めたような書き方になっていますが、そうではないんですよ。
大人気ないなと途中で気がついて怒りは収まってるんです。
で、からかいモードで接したら凛様が逆切れしちゃったので、表向きは怒ってみたんです。
外見サーヴァントでも、内面お母さんみたいな心理ですね。
最終的には惚れた弱みと言うか、先に折れちゃってますが。
でも、折れたとこ見せないんですよ。照れ屋な所があるかなと思ってますんで。
書いてる途中でどこに行くんだろうかと思いましたが、健全なところに行き着いてよかったです。
まあ、夜を往くってタイトルからはかなり逸脱していますが。
気が向いたら、内容こっそり変えようかな…なんて。