だからこそ。
アーチャーが衛宮君を憎悪する理由が分からないのだ。
過去に生きていた英雄が未来の平凡な高校生を憎悪することなどあるのだろうか?
「ところで衛宮君、時間は大丈夫?」
「え?」
気がつけば時間は当に十九時を過ぎている。
「あ!やばい、藤ねえが帰ってくる!」
「藤村先生?何で?」
「俺の保護者というか、何故かご飯食べに来るんだよ」
「なら、今日はここまでにして帰ったほうがいいわね。アーチャーは?」
「特に異存はない。凛にも夕飯を食べてもらわなければならないからな」
アーチャーも納得。
心なしか悲哀がその表情に浮かんでいるように感じるのは気のせいだろうか?
「悪い遠坂、邪魔したな」
「いいわよ、こっちが連れて来たんだし。道分かる?」
「大丈夫だ。じゃあ、また明日な」
かくして。第一回衛宮君とアーチャーの親睦を深めてみようの会は幕を閉じたのであった。
「凛、今何か不愉快なことを考えなかったかね?」
「気のせいよ、気のせい」
明日もやるのかなぁ…?

続く