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遠坂さんちの家庭の事情

7

自室に戻り、布団に入って寝ようと思ったときにふと、思ってしまった。
ただのサーヴァントが私の恋愛感情までを何故気にするのか、と。
そんなの私の勝手だし、アーチャーが気にすることではないと思う。
だけど、もしも。
彼が少しでも私にそういった類の感情を持ってくれているのならば…
嫉妬したり、追及してみたり、有り得るのかも知れないと思ったのだ。
そんなことを考えていると眠れなくなってきて、私は布団を抜け出す。
眠れないなら眠くなるまで待つしかない。
明日は幸い学校は休み。
少しばかり寝坊したって怒られないだろう。
使い慣れた魔術書を開き、椅子に腰掛ける。
点ける明かりは机の明かりのみ。
下手に部屋の明かりをつけたらアーチャーが来そうだし。
開いたページに並ぶのは漢字でも平仮名でもないけれど、向こうで勉強するなら早いうちから言語には慣れてる方がいいので
そのまま読んでいる。
まあ、はっきり言っちゃうと教えられたのもそのまま翻訳無しだし…慣らされたというのが正しいところだけど。
魔術書に引き込まれて読み込むうちに、私は睡魔に襲われて…気がついた時には記憶が抜け落ちていたのだった。

「凛…」
「んう…」
「凛」
「んん…?」
「起き給え。君は何故こんなところで寝ているんだ?」
聞きなれた声が呼んでいる。
それも、物凄く近くから。
開きたがらない瞼を何とか持ち上げて、ぼやける視界をコントロールする。
目の前に見慣れた残像がある。
焦点を絞って睨むように見つめてみると、それはアーチャーだった。
「…アーチャー?」
「やっと起きたのかね?」
困惑しているかのような、少し怒っている様にも見える表情を浮かべて、彼は私の顔を覗き込んでいた。
「まだ寝ぼけているのならばベッドまで案内するが?」
ややからかうような口調で言われた言葉に、私は回らない頭を回して考える。
ベッドに、寝てないんだっけ?
「ここって…床の上?」
ようやく上半身を起こして、自分のいる場所を確認した。
椅子に座って読んでいたのまでは覚えている。
それから、どうしたんだっけ?
「凛…。読書をするなとは言わないが、場所を考えて眠ってくれないか?起こしに来たらこの状態では心臓がいくつあっても足らない」
アーチャーに言われて、改めて自分の状態を確認する。
確かにこれでは殺人事件でも起きたんじゃないのかという寝方かもしれない。
椅子から落ちるように床に突っ伏して寝ていれば、見た瞬間死んでいるように見えるだろうし。
「ごめん、今度から気をつける。だけどね」
ようやく回ってきた思考回路は、ある事実を私に教えてくれた。
「勝手に部屋に入るなって言ってるでしょー?!」
私の叫び声がアーチャーの耳元で発せられた。
いつも以上にしかめっ面をしたアーチャーは、耳の機能が回復すると同時に、それならば時間通りに起きてきたまえと言い返してきたのだった。

続く