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遠坂さんちの家庭の事情

10

迸る、エーテルの光が収束し…人型をとる。
衛宮君に刺さろうとしていたランサーの槍を弾き、対峙する。
その姿に誰もが見惚れたその時、あり得ない事が起こった。
響いたその音は紛れもなく…お腹の音。
つまり、誰かがお腹がすいている…と言うことなのだが。
この緊迫した空気の中で誰が?
現れたのは間違いなくセイバー。
白金の甲冑に身を包んだ青い剣兵の英霊。
心なしか顔色も青く見えるのは気のせい?
「流れが違うじゃねぇか…」
呟いたのはランサー。
それはそうだろう、口封じをしたい相手ではない衛宮君を狙ってしまったが故に召喚された英霊が剣兵の英霊であれば、
文句の一つも誰かに言いたくなる。
もっとも、ここにいるランサー以外の者は皆、自業自得だと思っているのだけど。
「問おう、あなたが私のマスターか?」
ランサーの問いを無視してセイバーは衛宮君に問いかける。
「は…?マスター?」
どうなったのか分からないまま、呆ける衛宮君。
「ええと、あなたセイバーでいいのよね?」
話が進みそうも無いので、割ってはいる。
「いかにも。私はセイバーとして召喚されたが…あなたは?」
「私は遠坂凛。ここにいるアーチャーのマスターで、聖杯の管理も任されている者よ。
多分マスターは呆けてる衛宮君で間違いないと思うわ」
聞かれたら答える。
私は自己紹介を手早く終わらせて、セイバーに事実を告げた。
「分かりました。では、マスター」
サーヴァントとしての知識に管理者のこともあるのか安心したセイバーはランサーを警戒しつつも衛宮君に向き合って、手を差し伸べた。
「今この瞬間よりあなたは私のマスターだ」
金髪碧眼、おまけにとびきりの美人。
こんな英霊がいるのかと思ったけれど、桜の手前それを口にすることは出来なかった。
「それでは早速マスターを守ることにします」
衛宮君を立たせて、セイバーはランサーに向き直った。
確実に狙っていると分かる場面で登場してきた以上、セイバーはランサーが倒すべき敵だと分かっている。
「覚悟はいいか、ランサー」
凄んだ低い声でランサーに話しかけるセイバー。
それに慌てたのはランサー。
「待て待てセイバー、早まるなよ!」
何が早まるななのか、先に早まったのは自分だろうとか言う突っ込みはともかく。
事態に追いつけないランサーは戦意などなくただ立っていただけだった。
「槍を取れ、ランサー。この期に及んでマスターを狙った一撃が幻だったとは言うまいな?」
華奢な体のどこにそんな殺気があったのか。
背後にライオンが見えるぐらいにセイバーは怒っていた。
「いや、確かにコゾウを狙ったのは認める。が、それはコトの成り行き上というか…」
「成り行きで狙うのですか、あなたは」
慌てて紡いだ言葉は、更にセイバーの怒りを深くしてしまった。
これじゃあ、慎二の件がおざなりになっちゃう。
「セイバー、剣を収めてもらえるかしら?」
「凛?」


続く