「あなたたちは?待っていてもいいわよ?」
まだ説教がし足りない様子のセイバーと、説教に疲れた衛宮君。
衛宮君の身を案じる桜は、それぞれ考えて…
「私はここで待っています」
始めに答えたのは桜。
「俺は…一緒に行くよ、慎二の友達だし」
まあ、予想通りの答えを返してきた。
残るは一人。
「どうする、セイバー?召喚されて落ち着かないなら待っていてもいいわよ?」
「なら…一つお願いがあるのですが」
セイバーの鬼気迫る表情に、私たちは息を飲んだ。
「その…食事をいただいてもいいでしょうか?」
その場に、冷たい風が吹いた気がした。
そういえばお腹鳴った人がいたっけなー…
「えーと、衛宮君。ご飯ある?」
「あ、ああ。夕飯の準備していたから炊いてあるけど」
頭を抱えつつ、問いかけると、ちゃんと返事が返ってきた。
「あの、それなら私がセイバーさんに食事、作りましょうか?」
桜が意を決したように発言した。
ライバルになるかも知れない相手に塩を送るとは…!
「頼んでいいの、桜?」
内心動揺しつつ、平静を装って聞く。
「はい、構いません。一緒に夕食の用意をしておきますから、早めに帰ってきてくださいね」
にこやかに微笑んで告げた桜は、強くなったように見えた。
「食事を終え次第、後を追いますので」
サーヴァントの務めを果たすとしきりに言うセイバーに、食べてからゆっくりでいいと告げて…
私たちは慎二を教会に預けるために出発したのだった。
続く