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遠坂さんちの家庭の事情

18

モヤモヤ感が残ったアフタヌーンティから四時間後。
私は衛宮君の家にいた。
金ピカのことはともかく、イリヤスフィールの事をどうするのか考えにきたのだ。
打って出るのはどうかと思うし、かといって放って置くのも良くないだろうし。
狙われてるのは衛宮君なのだし、ここはいっそ張本人に聞いてみようということになったのだ。
まあ、アーチャーは放っておけといったけど。
「なんか悪いな、遠坂。夕飯作ってもらっちまって」
「いいのよ、一度くらいお返ししないと悪いもの」
衛宮君の家で私が料理を作っている事にもアーチャーは怒っているわけで。
姿見えないけど、怒りのオーラが見えるような気がするのは気のせいじゃないと思う。
「姉さん、中華料理作れるんですね」
「一応ね。だって、アイツの中華酷かったんだもの」
アイツというのはいわずもなが言峰綺礼のことである。
辛みの調味料、分量を気にするとか言う事が全くない状態で投入するから辛いこと辛いこと。
それで本来の味を覚えようと作り始めたのがきっかけなんだけど。
「ほんと、地獄の料理だってあれはないわよ」
父さんがいなくなってから、味わった最初の地獄。
毒殺されるんじゃないかと思ったのは内緒だ。
出来上がった料理を食べて、頷く一同。
「中華ってどれも同じ味だと思ってたけど、うまいな」
「今度教えてください、姉さん」
今回のもまあ納得行く味に出来たのでよしとしよう。
「アーチャーは…食べる?あなた、中華は作れるんだっけ?」
私の言葉に姿を見せるアーチャー。
「一応一通りは出来るが…君ほどではないな」
「本当?あなたに勝てるものがないかと思ってたからちょっと嬉しいかも」
私の隣で器用に箸を使って摘むアーチャー。
食事というよりは味見をしにきたようだ。
「アーチャー…あなたは箸が使えるのですね」
「ん?ああ、一応な」
セイバーも上手に箸を使っているけれど…アーチャーの使い方は使い慣れてる人間のそれだから、驚いたんだろう。
まあ、私も始めてみたときは驚いたけど。
「長年遠坂のサーヴァントやってるからね。自然と身についたんじゃない?」
「そうだな。君のように食事を勧めるマスターもいるからな」
この聖杯戦争のサーヴァントの中で一番変わっているといってもいいわけだし。
「成る程…で、料理も出来ると?」
「そうなのよ。そんな英霊きいた事ないんだけど…」
「それは言い伝えられた話になくともあることだろう?経験していれば出来る事だからな」
戦闘の経験と同じように知識として蓄積されるのだから、やった事があれば出来るだろう?と続けるアーチャー。
私はそれがちょっと疑わしいんだけど。
知識で知っているのと出来るのは違うと思うし。
手際のよさはどう知識で得ても実行できないと思うし。
食事しながら今後の方針を決めようと思って来たんだけど、話がそれていく。
「唐突で悪いんだけど、衛宮君。あなた、イリヤスフィールはどうするつもり?」
「え?」
言われた事が分からないというような衛宮君。
「だから、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。バーサーカーのマスターよ。狙われてるじゃない」
「そうは言ってもな…向こうが仕掛けてこないなら俺は何にもしないけど」
うわ、予想通りの返答だ。
ここまでのんびりしているのもどうかと思うんだけど…
「だから言っただろう?凛。放っておけばいいと」
冷たい眼差しで衛宮君を見て、吐き捨てるように言うアーチャー。
何でかしらないけれど、アーチャーは衛宮君の事をよく分かっている。
あんなに嫌悪してるのに。
「あの、アーチャーさん」
「ん?なんだ」
桜の声に、機嫌が悪くとも答えるアーチャー。
根はいい人なのである。
「あの、それって…焼きもちですか…?」
桜の発言に固まる一同。
あ、一人だけ夢中で食べてる人がいたか。
「桜…?どこをどうみたらそうなるのかしら?」
我が妹ながら、突飛な発想をするものである。
「だって…姉さんと先輩が仲良くしてるのが嫌なんですよね?なら、立派な焼きもちだと思うんですけど」
そっか、桜はアーチャーの殺気に気づいてないんだ。
そう話を振られたアーチャーは困惑したように考え込んでいる。
「…そう取れるならそう取ってもらっても構わんが…小僧に焼きもちなど焼くまでもなかろう?凛が相手にするとは思えんからな」
桜の言葉を逆手にとって衛宮君を攻撃するアーチャー。
この空気に気づかないなんて…桜、ある意味凄いわ。
思わぬ攻撃を受けた衛宮君は黙ってアーチャー睨んでるし。
セイバーは食べるのに必死だし、これ以上は話すの無理かなぁ…

続く