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注意・甘いですよー弓凛好きさん推奨。

アーチャーに聖杯を手に入れる理由を聞かれて、私は手に入れることが目的ではないと答えた。
世界はとっくに私のものだから、他人に願ってまで手に入れるものは無いのだと、言い切って。
勝つために戦う。
そう言った私に、アーチャーは自分の主にふさわしいと言った。
その言葉を聞いたから、それだけで良かった。
少なくともこんな感情を認識したりしなければ、満足だったのだ。
何時からかと思い返せば、始めから。
まるで雛が始めてみたものを親鳥だと思うように、私は…
想ってはならない。
考えたりしたらダメだ。
なのに。
こんなにも大きくなる気持ちをどうやって抑えたらいいのだろう?
正直、ずるいと思う。
聖杯戦争はいつか終わる。
アーチャーは遠坂の代々のサーヴァントだけど、戦うために呼ばれたサーヴァントだから…
これが終わったら、私の前から姿を消すかもしれない。
家事をしたがるアーチャー。
私が家事を許可したのは、聖杯戦争が終わっても家に留まって、側にいて欲しいからだったのかもしれない。
バーサーカー戦を引き分けて…あの時から私はおかしいと思う。
皆と夕飯を食べて、今は衛宮君の家の客間に一人でいる。
アーチャーには荷物を取りに行かせて、席を外させた。
聞いてはならないことを聞いてしまいそうだから。
言ってはならないことを言ってしまいそうだから。
心の準備もなしに二人きりになんてなったら、きっと。
だから、荷物を取りに行って貰ったんだけど。
考えるのは嫌になる位アイツのことだけだなんて。
「恋は盲目って言うけど、本当ね…」
気配とか、そんなものにも気づかずに呟いてしまった。
「ほう?君にも意中の相手がいるのかね?」
慌てて、取り繕うことを忘れた。
「ぬ、盗み聞きなんて行儀悪いわよ?!」
振り返るとそこには声の主が、いつもの不敵な笑みを浮かべて立っていた。
「聞くつもりは無かったがね。頼まれた荷物、ここに置くぞ」
持っていた鞄をベッドに置いて、いつも通りにベッドに腰掛けるアーチャー。
「で?君の想い人とは誰かね?」
いつもと変わらない表情で、とんでもないことを聞いた。
「そう聞いて答えると思う?」
「ということは思い人がいることは肯定するわけだな、凛?」
揚げ足を取られた気分。
「ノーコメントよ。こういう話は、あんたもしないとフェアじゃないわ。等価交換よ」
一方的にしゃべらせられると嫌なので、苦し紛れに言ってみる。
「ふむ。それはそうかもしれん」
その笑顔は、悪魔のものだと思った。
言葉と同時に現れた笑顔。
からかう気満々の、邪悪な笑顔。
「ならば、私が言えば、君は話さざるを得ないということになるな」
「そうだけど…あんたに好きな人なんていないでしょう?少なくともそんな相手は見かけなかったわよ」
契約してから今まで、そんなしおらしいアーチャーは見ていない。
もっとも、アーチャーが恋をしている姿を想像することもできなければ、しおらしい姿を想像することも出来ないんだけど。
「それはそうだろうな。君には分からないだろうよ」
好きな相手はいないだろうと踏んで話したのに、私には分からないと返された。
つまり、それって…

続く